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父のテレビ出演!の巻 [家族]

老父がテレビ出演しました。


といっても、ローカル局の地元密着番組で、旧タイプの自動車にも後付けできるブレーキ踏み間違い装置を開発した地元企業の社長さんを紹介するコーナーで、その恩恵にあずかっている利用者第一号として、ひと言インタビューやら運転実技の披露やらの場面を、短時間紹介してくれたのでした。


実は、父は、先日、地元新聞の読者投稿欄に、こんな投稿をしていたのですが、どうやら不採用らしいと落胆しております。


    ブレーキ踏み間違い防止措置のこと
高齢者の大きな運転事故は、ブレーキの踏み間違いによるものが多い。高齢ドライバーの免許返納が推奨される事情は十分理解しているつもりだ。
しかし、私の地区にはスーパーもなく、買い物には10km位離れたスーパーへ週一回か二回は必ず行っている。また、毎月、複数の病院へ行き、薬をもらっている。車は、僻地で生きていく上での必需品である。
免許の書き換えは、認知症の検査も問題なくパスした。踏み間違い防止の装置が出来るようになり、市から補助金も出るので、乗るためには絶対取り付けようと思って、車検を受けている店へ相談に行ったが、車が古い型式なので取り付けが出来ないと言われた。町内には新しい設備などを開発しているA会社がある。その社長のお宅が近所にあり、たまたまお会いした機会に私の車は型式が古くて踏み間違い防止の装置が取り付けられないので、運転をやめなければと思っていると話したら、会社でなんとかしてみると言ってもらった。
特別に設計してもらい、取り付けてもらった。半年以上になるが何の違和感もなく、安全運転が出来ている。取り付け後の状況などを、先日、Oテレビ局が取材に来た。離れて暮らしている家族たちも安心してくれているが、私本人が今まで以上に安全運転して、一日でも長く運転したいと思っている。


折も折、2019年4月、高齢ドライバーによる悲惨な「池袋暴走事故」(乗用車が暴走して通行人を次々とはね、31歳の母親と3歳の長女が死亡し、9人が重軽傷を負った事件)の公判が東京地裁で行われ、4月27日には飯塚幸三被告に対する被告人質問が行われ、自らの過失を強く否定した、というタイミングだったことも関係あるのかも知れません。




免許証返納問題については、当ブログの過去記事でも何度か触れてきました。


例えば2019年の年賀状を紹介したこの記事。


今年もよろしく願います、の巻(2019-01-01)


二〇一八年わが家のニュース

(前略)

田舎の父母 父九一歳、母八八歳、おかげさまで健在です。父は、免許返納をどうしようか迷いながらも、もうしばらくは運転を続けるようです。


また、四月にも新聞投稿不採用を話題にしています。


思いつきの津山城址見学、の巻(2019-04-16)


もう一ヶ月ほどで92歳になる老父が、地元新聞の読者投稿欄に掲載してもらったのを励みに、その後も何度か投稿しているのですが、どうもボツになる回数が多いようです。

たとえば、こんな投稿。もうだいぶ前に書いたものですが、掲載の兆しがありません。もうボツだろうと踏んで、こっそり当ブログに紹介させていただきます。


高齢者の免許証の返納に悩んでいる
私の住む地区にはスーパーがない。
毎月1回診察して薬を貰いに行く病院が遠いので、どうしても自家用車で行く事になる。 事故をする前に免許証を返納する人が多いけれど、 私は悩んでいる。
今1週問に1度リハビリにいっているので送迎車利用している。何時も助手席に乗せてもらっているので、 職員の運転手さんの技術を隣の席で良く見ている。 それは本当に模範運転である。 制限速度は厳重に守り、急ぐ車には道を譲り、 信号は黄色になる前に停止する位の絶対安全運転を見習えば、 高齢者も事故をしないと信じている。
週に1回か2回位買い物に行っているが、 妻以外の人は乗せない様にしている。 慣れた道でも夜間や雪の日の運転、 飲酒運転は絶対しないで模範運転を見習って、 事故をしない様1日でも長く健康で連転したいと思っている。

高齢者は、できるだけ早く免許返納するよう勧めるのが社会の風潮だから、まだ運転を続けようという投書は載せてもらえないのだろうと、父は解釈しているようです。その父が、免許更新前の高齢者講習を受けることになりました。認知力のテストで、前回よりも何点か下がっていたので、3時間の講習が必要なのだそうです。

示された絵を見覚えて、描いてあったものを思い出す問題で、「ペンギン」という言葉を思い出せなかったこと、トマトを果物に数えたので、「野菜」の数が足りなくて困った、などのことがあったようです。これは、恥ずかしながら、この自分によくある現象なので、他人事とも思えません。


冒頭に紹介したテレビ番組は、あらまし、こんな具合でした。


アナウンサー1 岡山県内で高齢者による アクセル とブレーキ の踏み間違い による事故ってどれぐらいになると思いますか?

アナウンサー2 日々扱うので かなり多いのではないかと思いますね 。

アナウンサー1 岡山県警によりますと過去5年で 人身事故119件発生 して。四人の高齢者が なくなってるんですね。 こういった事故を防ごうと美作市の メーカーがある商品を開発しました。

と、踏み間違い防止装置の紹介に入ります。画面に郷里の父母宅近辺の映像と、車庫と周辺道路を運転する父の姿が映ります。

アナウンサー1 美作市の山間部を走る車。 運転してるのは○○さん94歳。 夫婦ふたり暮らしで生活の足として車は欠かせません。

ここで、踏み間違い防止装置開発メーカー社長と父が登場し、自宅前でインタビューを受けます。


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さすがに地元に根ざした企業家だけあって、田舎住まいの高齢舎にとっての車の必要性を、肌身を持て感じておられ、こうおっしゃることばが切実に感じられました。


開発メーカー社長 地元に住んでたらわかるんですけど、 車がなかったら生活できないんですよ。 地元の人が困ってられるんで、それを何とか、 できれば今お乗りの車をちょっと改造することによって、 安心安全の車にすることができればいいなと思って、はじめたんです。


先日の記事で、投稿短歌が新聞に掲載していただいたことを書きましたが、その時同時に投稿していてボツになった歌はこんなものでした。



僻村の父九十四老いたれど運転免許まだ手放せず


蛇足ながら、一緒に投稿したのは、これ。


芽吹きたるベニカナメモチ賞めをれば母は昨日の夕焼けを語る


説明を加えないとわかりませんね。父母宅の道路際の垣根に、ベニカナメモチを植えており、春から初夏にかけて、新芽の燃えるような紅色が樹全体を覆い、息をのむほどの美しさ(安直ながら、アベ前首相の言い回しを借りました)に打たれます。しかし、必要以上に背丈が伸び過ぎていることが気になり、遅まきながら初夏になってから私が剪定をしたのでした。せっかくの紅色の若葉が切り落とされて、みすぼらしい様子に心を痛めていたところ、ようやく新芽が再度芽吹き始めていることを話題にしたのでした。耳の遠い母が、聞き違えたのか、あるいは紅色から連想してか、昨日の夕焼けはなんとも言えず綺麗だったと、感慨を込めて語りました。ベニカナメモチを植栽している生け垣に沿った道路は、西に向かって延びていて、遙か向こうに、山と空とが眺められるのです。さぞや赤々とした夕焼けだったのでしょう。


ちょうど,この画面の向かって左側の木が、ベニカナメモチです。テレビ画面をデジカメで写したものですので、色合いはイマイチです。


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今日はこれにて


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