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人様の都合にお構いなしの雪 [文学雑話]


筑紫の国で憤死した道真は、神(怨霊?)となって、京(時平の周辺)にいろいろと災いを起こしたと言われます。人々は、道真のたたりとして畏れたと言うことです。
恨みを残して死に、死後この世にたたりをなしたということで、この菅原道真と、平将門、崇徳天皇の三人を、後の世の人は日本三大怨霊と呼んで畏れました。

 

そのたたりを鎮めるために、道真は太宰府天満宮(福岡県太宰府市)や北野天満宮(京都市上京区)、 平将門は、築土神社(東京都千代田区)や神田明神(東京都千代田区)、 崇徳天皇は、白峰宮(香川県坂出市)や白峯神宮(京都市上京区)に、神としてまつられることになります。

さて「大鏡」の「時平と道真」の続きは、こんな具合です。
また、北野の神にならせ給ひて、いと恐ろしく神鳴りひらめき、清涼殿に落ちかかりぬと見えけるが、本院の大臣、大刀を抜き放けて、「生きても、我が次にこそものし給ひしか。今日、神となり給へりとも、この世には、我にところ置き給ふべし。いかでかさらではあるべきぞ。」とにらみやりてのたまひける。
一度は鎮まらせ給へりけりとぞ、世の人申し侍りし。
されど、それは、かの大臣のいみじうおはするにはあらず、王威の限りなくおはしますによりて、理非を示させ給へるなり。


【あやしげ関西弁風現代語訳】
 また、(道真公が)北野の神サンにおなりやして、えろう恐ろしう雷が鳴り、稲光りがして、あわや清涼殿に落ちかかるかに見えたんどすが、本院の大臣はん(時平公)は、太刀を抜き放って、「(あんさんは、)生きてはる時も、私の次の位でおましたなあ。今日、雷神とおなりやしても、この世では私に、ご遠慮しはるのんが当然と言うもんどすやろ。どないして、そうでない状態でおられますかいな(いや、遠慮なさるべきですがな)。」と雷の方をにらみやって言わはったゆうことですわ。
その時だけ、いっぺんはお鎮まりやしたと、世間の人は、申しましたわな。
ほやけど、それは、あの大臣(時平公)がお偉うておいでやしたゆうわけやおまへんで。せやのうて、天皇はんの御威光がごっつうご立派であられるよって、(道真公の霊が、)道理に合うか合わんかの区別(官位の順序を乱してはならんゆうこっちゃ)を示しなはったんですがな。

この昔話を語っている大宅世継が、つまり、作者自身が、道真に強い共感と同情を寄せていることがうかがえます。一事が万事、この作者は、栄華を誇る藤原氏にたいして、概して批判的で、しばしば辛辣に皮肉っています。ただ、唯一、藤原道長という巨人についての扱いは、別格ですが。


今日は、予報通り、朝から大変な雪です。
桜並木の雪景色。

 
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後方の巨樹は楠です。
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 辛夷の枝にかかる雪。
 
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私の散歩道。
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キンモクセイの枝にかかる雪。
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孫は元気に登校していきました。
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大阪から次男が帰ってくる予定なんですが、どうでしょうか?


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