春 其の2 木下透 [木下透の作品]
このカテゴリーの文章は、おおむね、私自身の回想に関わるので、常体(だ・である調)で書くことにする。
木下透は、私の高校時代の筆名である。彼の作品を紹介するのが、この項の趣旨である。
未熟さは、その年齢のなせる業なので、寛容な目で見てやっていただきたい。
今回は、高3の時の作品。「春」という同一の題の詩を、ソネット(14行詩)形式で何編か作ったうちの一つだ。
ブログに掲載するに際して、便宜的に其の2と名付けることにする。
春 其の二 木下透
うららかの春の一日(ひとひ)
萌える若草の香を淡く感じながら
私はひとり寝そべっていた
柔らかな空を 二つのかげが ゆうるりと舞うていた
耳元の小川のせせらぎ
――軽やかおまえのささやき
つつましいツメクサの花
――はにかんだおまえの笑み
確かに交わされた約束であるように
私はおまえを――あてもないおまえの訪れを
胸をときめかせて待っているのだ。
私はおまえを知りはしないのだが
おまえは私を知りはしないのだが
ああ それはだれでもいいのだが――おまえ――
「恋に恋する」という感傷を表現してみた。本当は、意中の「おまえ」はいたのかも知れないが、それはヒミツ。
散歩中、ツメクサの花を探してみたが、まだ蕾も見えない。しもやけたクローバーの葉が、まだ寒そう。
ホトケノザは咲いている。
ナズナ。別名ペンペングサ。
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