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「良い風が吹きますねえ」とすれ違う [折々散歩]

昨日は激しい雨でしたが、今日はだんだんと高気圧に覆われて午後には五月晴れが広がりました。五月も終わりますが、、。
午後、散歩に出かけました。道ですれ違った年配の男性に、「こんにちは」と小さく声をかけると、「良い風が吹きますねえ」と会釈されました。「そうですねえ。」と返事しましたが、自然と声が弾みました。すてきな言葉なので、メモしておきます。

風に吹かれて、熟れた麦の香りが運ばれてきます。

向こうに見えるのは、常山です。

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 刈り取りが終わった畑も広がっています。

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昨日は、私が属している退職同業者の親睦団体主催の「自然歴史探訪」に参加してきました。この、行事は、毎年行われているのですが、参加したのは今回が初めてです。

「自然と共に生きた山里と繁栄を偲ぶ宿場町に日本人の原風景を訪ねる旅」と銘打って、鳥取県智頭(ちず)町を訪ねるという企画です。

鳥取県智頭(ちず)町については、過去の記事で少しだけ触れたことがありました。

そのかみの十五の吾も仰ぎ見し大き銀杏はとこしえにあり
こんな記事でした。

 那岐山をご存じでしょうか。
岡山県と鳥取県にまたがる高峰で、氷ノ山(兵庫県)、後山(岡山県)、とならんで、氷ノ山後山那岐山国定公園に指定されています。
この山にはイザナギ、イザナミの両神が降り立ったという伝説があり、伊邪那岐(イザナギ)の名が、山の由来になったとされます。
標高は1255.0 m。隣接する後山(岡山県第一の高峰)が標高1344mで、その高さに負けて泣いたことから「ナキノセン」と呼ばれたという、面白話も残されています。

ところで、この那岐山の鳥取県側にはJR因美線那岐駅(なぎえき)というローカル駅があります。鳥取県八頭郡(やずぐん)智頭町(ちずちょう)という、難読地名がその所在地です。
一方この山の岡山県側には勝田郡(かつたぐん)奈義町(なぎちょう)があります。
そして、その奈義町には諾神社(なぎじんじゃ)という神社があり、伊弉諾尊(イザナギノミコト)を祭っているそうです。
「伊邪那岐」は古事記による表記、「伊弉諾」は日本書紀による表記だそうです。



智頭町の概要について、町のHPにはこう紹介されています。
 「みどりの風が吹く疎開のまち」智頭町は、鳥取県の東南に位置し、南と東は岡山県に接しています。周囲は1,000m級の中国山脈の山々が連なり、その山 峡を縫うように流れる川が合流し、千代川となり、日本海に注いでいます。その昔から、長い歳月を経て、あの鳥取砂丘の砂を育んだ源流のまちです。 まちの 総面積の9割以上が山林で、スギをはじめとする見渡すかぎりの緑が一面に広がります。春には、ソメイヨシノ、シャクナゲ、ドウダンツツジ、夏には清涼な緑 が、秋は紅葉、そして冬には雪化粧と、1年を通してまちを彩る植物や、美しい自然にあふれています。

鳥取県といえば、「スタバはないが砂場はある」と自虐ネタの知事発言が話題をまいた(現在はスタバが進出しているそうですが)鳥取砂丘や、日本海、大山などの自然景観、温泉地などが有名で、それらを訪ねたことは何度かあります。しかし、その道中、黒尾峠を過ぎて「智頭」の地名表示を目にしながらも、じっくり足を止めたことはありませんでした。

今回の自然歴史探訪の案内チラシにはこうありました。
 ◆主な探訪先 <鳥取県智頭町>
〇上板井原集落(県指定伝統的建造物群保存地区)
六尺道に沿う塀をもたない茅畫き屋根の民家…自然と調和した集落の姿が貴重な文化遺産として注目されています。
〇智頭宿
山陰と山陽をつなぐ交通の要衝であった智頭宿。
県内最大の宿場町として栄え、石谷家住宅をはじめ
美しい格子戸の旧家、江戸時代から続く酒蔵などの町並み
レトロな洋館の公民館
明治30年頃の和風建築の町家である旧塩屋出店
白い洋館の西河克己映画記念館(入場無料)
洋風消防屯所 などの散策
〇石谷家住宅(国指定重要文化財)

古い町並みの中でもひときわ豪壮な木造建築で一般公開されています。 大正時代林業の振興や因美線の開通などに尽力した貴族院議員だった 石谷伝四郎(山林王とも呼ばれた)の邸宅を団体で見学

いずれも、初めての場所です。

計画では、朝八時五〇分岡山駅前集合で、貸し切りマイクロバスで出発の予定。それにしても、集合場所までの行き方が問題です。

自家用車で行くのが手軽ですが、ほどよい駐車場が近くになく、どうやっても、料金が高くつきます。その駐車料金よりは、路線バスで往復すれば千数百円ですから、むしろリーズナブルです。

あるいは、最寄りのJR駅から列車で行く方法。これには、1.歩けば遠い、2.自転車で行くのは、雨の日は辛い、3.ローカル線なので便数が少なく、途中乗り換えの必要もある、などの難点があり、時間に余裕のない時には使いたくありません。

もう一つは、JRの途中駅の近くに一日500円という駐車場があって、これを利用すること。いつもはこの方法をとることが多いのですが---。

たまたま昨日は妻のパートが休みで、意を決して、このJR駅まで送ってもらううことにしました。そしてたまたま、お泊まりしていた孫たちも一緒の車に乗って、一つものようにしりとり遊びをしながら,20分ほどで到着。順調な滑り出しです。

これなら、予定の電車よりも一本速く乗ることができ、悠々間に合いそう、とほっとして切符売り場に向かうと、日曜朝のこの時間にしては、いつになく大勢の人影が改札周りにうごめいています。ちょっとした違和を感じて、張り紙やら構内放送に注意してみると、「人身事故のため運転全面ストップ、復旧は9時過ぎる見通し」とのこと。これは困った。これでは集合時刻に間に合わない。

帰路についていた妻の車を、慌てて携帯で呼び戻して、集合場所の岡山駅前までつきあってもらうことにしました。ところが、慣れない経路、時間を稼ごうと間道を走ってみたのがあだとなり余計にロスが重なる始末です。集合時刻になっても、まだ道半ばにして前途数キロメートル。幹事のF先輩と連絡を取ると「待つよ」のありがたいお言葉。

孫の「おなかすいた」「帰りたい」のブ-イングに耐えつつ、出発時刻も遙かに超過してようやくたどりついた待ち合わせ場所には、にこやかな笑顔で迎えてくださる先輩方の姿。恐縮至極の旅の始まりでした。

聞けばこのJRトラブルのため、途中駅で立ち往生し参加を取りやめられた方もあった由。とんだハプニングでした。

最初の見学地板井原集落について、智頭町観光協会のHPには、こう紹介してあります。

 宿場町の文化が薫る智頭往来から北東へ進路をとり、杉林に覆われ昼でも薄暗い山道へ。街中とは一変する風景と空気の中、くねくねとした細い上り坂を進みます。すると、車1台がやっと通れるほどの狭い隧道が。ためらいつつも、向こう側に見えるかすかな光に向かってトンネルを抜けると、広い駐車場に出ます。そばには「六尺道入口」の道標。いまだかつて車が乗り入れたことはないという約1.8m幅の細い古道は、私たちを導くように川に沿って上流へと続いています。周囲は深い森だけだった視界がふいに開け、魔法のように民家が出現。その場所こそが「板井原集落」です。

 押しつぶされそうなほど迫りくる山肌、どちらを向いても深緑の杉林。そのわずかな谷間に広がる集落には、明治32年(1899年)に建築されたかやぶき屋根の「藤原家住宅」をはじめ、築50年を超える古民家群、昭和初期に分校として建てられた「板井原公民館」、集落を見守る「向山神社」、板井原川の流れを利用した米つきの水車小屋、炭焼き小屋等々、まるで昭和30年代の山村風景がそっくりそのまま残っています。中には築270年という古民家もあるとか。集落全体がまるで映画のセットのようです。

昭和42年に古峠を抜けるトンネルができるまではこの地に車が入ることはなく、徒歩で行き来する「六尺道」だけが村に通じる唯一の道。牛臥山や海上山など高い山々に囲まれたひっそりとした場所だけに、“平家落人の隠れ里”伝説が残るのもうなずけます。

 今から10年程前、朽ちかけていた板井原集落の佇まいを将来へ残そうという気運が高まり、平成16年2月には鳥取県指定の「伝統的建造物群保存地区」に選定。また、築100年の古民家を利用したカフェ「野土香」のほか、昔ながらのかまどで炊いたご飯と手作りの田舎料理が食べられるお食事処「火間土」と、集落の雰囲気や暮らしをより身近に感じられるスポットもできました。

 「火間土」では、自分自身でかまどでご飯を炊く「炊飯体験」も可能。水車で精米された米を板井原の清らかな水でといだら、かまどに薪をくべて炊飯。店主の原田巌さんに指導を受けながら、かまどの微妙な火加減に四苦八苦。でも、炎を見ながら自分の手で炊き上げる作業は意外に楽しいもの。じっくり蒸らした後、釜を開けると、電気で炊いたものとは全然違うご飯の香りがフワッ。食べるとモッチリ、おこげの香ばしさがたまりません。精米方法、水、炊き方が違うだけでこうも違うものかと「目からウロコ」の美味しさ。“幻の漬物”といわれ、昔懐かしい味わいと歯応えの「板井原ごうこ」との相性も抜群で、何杯でもおかわりしてしまいます。(後略)


うっそうとした細い山道を縫うように走って、下界から遙かに隔絶した集落に到着します。







「すぐそこ」とはありますが、ほどよい散歩コースです。



見上げるような杉の巨木が林立しています。



太古の空気を今に伝える集落の静かなたたずまい。







清流では、カジカガエルが美しい音楽を奏でていました。



この建物は板井原公民館 。昭和前期に建設され、二〇年ほど前までは使用されていた木造2階建の小学校校舎(分教場)を、公民館として使用しているそうです。



板井原集落の案内看板が、





水車でついた米を、かまどで炊いたご飯が昼食です。









ご飯が黄色く見えるのは、お焦げです。懐かしく美味。山菜中心の経る恣意ヘルシ-おかずは、繊細な味付けで、ご飯が何杯も弾みます。山盛りのお代わりを、二度も三度も重ねる方も、、、。私は、、お代わりなしで我慢しました。やせ我慢!ですが、やせませんね。







掲示されたメニューの通り、天ぷらも登場しましたが、撮影は忘れました。お腹も気分も、満腹満腹。

雨の予報でしたが、食後の記念撮影の頃までは、小糠雨程度で、幹事さんの「日頃の行い」のおかげ、でした。(ごますりすり)。

きょうは、ここまでです。
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hatumi30331

綺麗な青空ですね!
雄大な景色。
そして美味しいもの、いいなあ〜♪

ドクダミ・・・薬にもなるけど・・・
引っこ抜かなきゃ!花の敵です。へへ
by hatumi30331 (2016-05-30 23:54) 

majyo

自然歴史探訪は とても興味があります
里山は人と自然とが一体となり暮らしに根付いた関係でしたが
昨今、それが少しずつ荒廃してきたように思います

JRのトラブルは大変でしたね。こんな場合に代替え交通機関が無いと
どうにもなりません。車で送ってもらえる人がいて良かったです
集落素晴らしいです。自然と一体化していますね。
お食事もいい。どんなに高級なレストランより私は好きです
近くだったら行きたい場所です


by majyo (2016-05-31 09:25) 

さきしなのてるりん

緑の中でリフレッシュ。たまにはしたいもんだなぁ。
あ、ここはちょっと東山に行きゃ周りが緑だらけだったか。
ンでも足伸ばして遠出したいな。
by さきしなのてるりん (2016-05-31 16:36) 

kazg

hatumi30331様
久しぶりの青空でした。初夏のすがすがしさがうれしいです。
ドクダミ、繁殖力旺盛ですからね。
by kazg (2016-05-31 20:16) 

kazg

majyo 様
里山の良さ、階級趣味だけでなく、大切なもの、大切なライフスタイルとして、守りたいものですが、、。
素朴な自然素材の食。きわめてデリケートな、絶妙な味わいが、心身を満たしててくれるようでした。
by kazg (2016-05-31 20:22) 

kazg

さきしなのてるりん様
そちらも、緑豊かな、空気もせきよらかで、自然食材も豊富なところと拝察します。あこがれの地です。
by kazg (2016-05-31 20:48) 

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