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9重なり、の巻 [折々散歩]

今日は9月9日。


ブログを始めたばかりの頃、こんな記事を書きました。


重陽の節句あれこれ。最後は酒の話。(2013-09-09)


今日は重陽(ちょうよう)の節句。
古代中国に始まる陰陽説では、万物を「陰」と「陽」とに区分し、静的・安定的なものを「陰」、能動的・活動的なものを「陽」とするそうです。
数字にも陰と陽があり、偶数は陰、奇数は陽とされます。「偶数」は安定していてそのままで完結しているが、「奇数」は二で割り切ることができず、常に変化し発展する性向を持つからだそうです。
中国では、その陽の数の内で最も大きい9が重なる9月9日を特別にめでたい日とし、菊の香りを移した菊酒を飲んでて邪気を払い長寿を祈る習慣がありました。中国では今もこの風習が生きているそうです。ただし、もっぱら新暦ではなく、農暦(旧暦)によるようですが。
日本には平安時代の初めに伝わり、菊の節句、菊の宴とも呼ばれて広がったそうで、『枕草子』にも「九月九日は、暁方より雨少し降りて、 菊の露もこちたく、覆いたる綿なども、いたく濡れ、うつしの香ももてはやされたる」と記載されています。
江戸時代に書かれた上田秋成の『雨月物語』にも、「菊花の約(きつかのちぎり)」という印象深い物語があります。


この記事、後にも何度か引用しましたし、先日「出版」した書籍版「ナードサークの四季(抄)Ⅰ」にも掲載していますので、紹介はこの程度にとどめます。


9月9日というめでたい9重なりに、もう2つ9が重なった午前9時9分、こんな催しが企画されました。


kane1


2019年9月9日9時9分に、9回鐘をつこうというのです。


9つの鐘の音に込められた思いを、案内チラシから引用します。


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こんなチラシも入っていましたので、最寄りのお寺まで出かけてきました、


kane2


PM196320


顔見知りの方、そうでない方も含めて十人超の参加。全員鐘を撞きましたので、9回を超えましたが、それだけ遠く広く、祈りは伝わったことでしょう。


PM196325


今日は、このお寺まで、修繕なった自転車で行ってみました。がりがり、ぎしぎしというきしみは、経年劣化のせいで仕方ないところでしょうが、さび止めスプレー、潤滑油を施して、まずまず日常の用を足せるほどにはなったようで、秋を楽しむツールとして愛用したいものです。


ところで、この行動に参加されたAさんは、今年90歳で、私と同じ団地から、自転車で参加しておられました。うかがうと、毎日30分ほどは自転車に乗っておられる由。感服しました。


そのAさん、参加者を前に、平和と憲法への思いを語って下さいました。昭和4年(1929年)生まれで、前年には治安維持法に死刑が加えられ、刃向かう者には大弾圧を加えながら戦争へつつき進んだ時代、「サイタサイタサクラがサイタ」「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」の教科書で育ち、疑問を持つこともなく純粋な軍国少年だったとおっしゃいます。今の時代、表現の不自由展への妨害・威嚇、選挙遊説中の聴衆のヤジを排除など、かつてなくあの時代に似通ってきていることが懸念される、との言葉に、重みを感じずにはいられませんでした。


今日はこれにて。


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コメント 2

momotaro

9重なりの平和の鐘、風流で革新的で、素晴らしい企画ですね!
90歳のAさんもお達者で素晴らしい!
by momotaro (2019-09-09 20:37) 

kazg

momotaro様
お寺さんの奥様が、冷たいお茶とお菓子でもてなしてくださいました。
90歳のAさん。数年前に運転免許は返納されたそうですが、自転車にはほぼ毎日乗られるそうで、かくしゃくとされています。あやかりたいものです。
by kazg (2019-09-09 22:09) 

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