イヌノフグリの写真ほか、の巻 [折々散歩]
イヌノフグリの写真が必要になり、過去のストックを探してみましたが、なかなか満足できるものがありません。過去の記事でも、何度もこの花を話題にし、繰り返し写真も載せているのですが、、、。
そこで、昨日郷里の父母の元を訪ねたついでに、田舎の野に咲くオオイヌノフグリの花を撮影してきました。
私にとって、この花への特別の感慨は、受験の年の春の記憶につながっています。後に、こんな歌を詠んでみました。
呪われの受験生の名の解けし日よ
イヌノフグリの花の愛しさ
それについては、これらのこの過去記事でも話題にSDいています。
江ノ口川異聞、の巻(2019-10-22)
悪夢のインフルエンザ体験(追憶の昔語り)(2014-01-28)
その頃の心情を、後に振り返って、再現ドラマ的に歌にしてみたことがありました。
今から二〇年ほども前に勤務していた高校の、受験を控えた生徒達に、担任としてのメッセージのつもりでプリントにして配ったものです。遥かなる日々
A 京の街の路面電車の女生徒の 白き歯並びゆかしかりけり
B 地下街の人ごみの中さまよいぬ 前途(みち)急ぎ行く人装いて
C この街の幾千人の雑踏の ただの一人も我を知るなし
D 自害せし三島由紀夫の一冊を 繰りつつ受験の宿に眠れず
E 受験場のダルマストーブのゴウゴウと 燃える音のみ耳にさわりて
F 英文字は目に踊れども意味なさで 脈音痛くこめかみをうつ
G〃熱のせい〃の言い訳をすでに準備してるその心根のうとましいこと
H 合格者の名の並びたる新聞に あるはずもなき我が名捜しをり
I 発表の日は過ぎたるを 習性(さが)のごと郵便受けを探る未練よ
J かばかりのことに動ずる汝(な)なるかと問えど鏡のわれは黙しをり
K はじめから覚悟してたと涼しげに 笑うつもりの顔がこわばる
L 本当は僕の心はズタズタです 助けてくれと叫びたいです
M 劣等のそしりに深くうなだれて おっしゃるとおりと泣かましものを
N 学歴にとらわれる人を醜しと言い来(こ)し言葉も強がりに似ん
O “どこへ行くの”とこだわりもなく問う人の言葉の端も我を鞭打つ
P 人生に早や疲れたる人のごとうらぶれて吾は受験に旅ゆく
Q 飽くほどの長き道程(みちのり)たどり来て汽車は土佐路に我をはこびぬ
R 「地の果て」と溜め息もらす友もあり南国高知は雲厚くして
S 高校の先輩と名乗る人あまた宿訪ね来てしばし和みぬ
T 快く土佐の言葉は耳うてど異邦人(とつびと)我の孤独いや増す
U この土を維新の志士も民権の若者達も踏みて駆けしや
V 帰り来ていよよ土佐路は恋しかり再び見んことなしと思えば
W 幾たびも間違いならんとたしかめぬ我が名宛なる祝い電報
X これしきのことにと恥づれど
我ならず「ゴウカク」の文字霞み見えたり
Y 呪われの受験生の名の解けし日よ イヌノフグリの花の愛しさ注 A~Oは、関西の私大受験に失敗した顛末。38度を越える発熱のせいと言い訳をしながらも、ショックは大。辛うじて合格をくれた一校は、第3志望ゆえに、「行こうか浪人しようか、不本意ながらもやっぱり行くんだろうな」という、忸怩たる思い。 近所のおばさんの、「あんた、どこへ行くん」の言葉にも、心は傷付くのでした。
P~Yは、国立受験の顛末。当時は1期校・2期校の時代ですから、いよいよ3月の話。都落ちのつもりで受験したそこに、是が非でも入りたい気持ちになっていただけに、合格は、正直うれしかった。
5年ばかり前の現代文の授業で、短歌を扱った機会に、当時の高校生に短歌を創作させました。その際の動機づけとして、私がつくってみたのがこれです。受験生であった頃の自分を、ほろ苦く、また甘酸っぱい懐かしさとともに思いだすような、中年男の感性が交じっているかも知れませんが、極力、誇張や美化は避けて当時の自分を客観視してみたつもりです。
いま、その「受験生生活」真っ只中にある諸君に、説教や教訓話を垂れることがどんなに空々しいことかを、私は十分知っているつもりです。当事者自身の痛みや重苦しさは、当事者自身のものでしかないことを、私自身忘れてはいないつもりだからです。
そうであればこそ、しっかりそれを引き受けて、へこたれずに頑張ってくれ、と、私は過去の自分に呼びかけるようなつもりで、皆さんに「頑張れ」を言いたいのです。
また、すでに努力の甲斐あって自己の進路を確定した諸君には、改めて「御苦労さん、おめでとう」と言いたいのです。そして、これからこそが、君自身が独り立ちして切り開いて行くべき人生本番だということ、それに向かって自分を値切らず、心おきなくぶつかっていって欲しいということを、お願いしておきたかったのです。
今年は桜の開花が早いです。
近所の散歩道の桜並木も、このまえの日曜には、もうこんな具合になっていました。
次は鳥の話題です。
岡山飛行場の近く。見あげると、、、
こんなのに混じって、、、
大空高くから舞い降りてきたこの鳥は、、、ヒバリです。
ツグミ。
オオバン、珍しく地面を歩いています。
カイツブリ。
冬の間、大勢群れていたカモたちの数がずいぶん減りました。北へ向かって旅立ったのでしょう。
マガモ。2月頃はもっと沢山泳いでいたのですが、少なくなりました。
こちらは、ハシビロガモのようです。久しぶりに見ました。
手前はカモ、向こうはカメです。
おあとがよろしいようで、、、。