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なおもカモカモエヴリバディ、の巻 [折々散歩]

ここのところ、人に会うたびに、NHK朝ドラの話題に花が咲きます。

23日朝放送の第17回「空襲」は、また一段と印象深い回でした。

YAHOOニュースの紹介記事をお借りします。

『カムカムエヴリバディ』妻と母を同時に亡くし…“金太”甲本雅裕の叫びに「言葉もない」

NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)の第4週「1943-1945」(第17回)が23日に放送。安子(上白石萌音)たちが暮らす岡山の町にもB29が襲来。空襲が終わり焦土に残された父・金太(甲本雅裕)の悲痛な叫びに、ネット上には「胸に刺さる」「涙止まらん」といった反響が巻き起こった。

1945(昭和20)年。安子は赤子のるいを連れて橘家に帰り、久々に祖母・ひさ(鷲尾真知子)や父・金太、母・小しず(西田尚美)たちと思い出話に花を咲かせ、温かな時間を過ごす。しかしその頃、戦況は悪化の一途をたどり、B29による爆撃は東京、大阪などの市街地を襲っていた。ある日の夜、B29が岡山にも襲来。焼夷弾の音で目覚めた安子は、雉真家の人々と共に防空壕へ逃れる。一方、金太はひさや小しずを防空壕へ避難させ、消火活動へ出かける。

空襲は止み夜が明ける。防空壕から抜け出し外へ出た安子の目には焦土と化した岡山の街が映る。そして安子はがれきのそばで力なく座る金太を発見。表情も変えず呆然とする金太に、安子が「お母さんとおばあちゃんは、どこ?」と尋ねる。すると金太は一点を見つめたまま「防…空…壕…」とつぶやき「防空壕は…焼夷弾に焼かれて…中のもんは皆…」とまで話すと一変。苦もんの表情を浮かべながら「わしが…言うた…“あの防空壕に…入れ”いうて…“待っとけ”いうて…」と言葉を絞り出す。安子も状況を理解し「お母さん…ばあちゃん…」とつぶやくと、金太は「小しずー! かーちゃーん! すまん! すまーん!」と力の限り呼びかけ、言葉にならない叫び声をあげて泣き続けるのだった。

地元岡山出身の甲本雅裕さん演ずる金太の慟哭は、その秀逸な演技ともあいまって、胸を打たずにはいられません。それは、しかし単にドラマの中のできごとではなく、わずか75年前、ここ岡山の地で現実に人々を襲った無数の悲劇だったのでした。

岡山空襲については過去記事でも再三書きました。

取り急ぎ、岡山空襲の日を走り読み、の巻(2016-06-29)

(前略)

きょうは、「岡山空襲の日」です。
ウィキペディアの記事を借ります。

 岡山空襲(おかやまくうしゅう)は、第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)6月29日の午前2時43分から午前4時7分にかけてアメリカ軍により行われた岡山県岡山市に対する空襲。計画段階では戦略爆撃だったが、ほとんど無差別爆撃として実行された(後述)。この空襲ではアメリカ軍の爆撃機・ボーイングB-29およそ140機[1]が用いられ、空襲警報が出されず全くの不意打ちであったため死者が1737人にも及んだ。
6月29日には岡山市・佐世保市のほか宮崎県延岡市、福岡県門司市(現:北九州市門司区)が空襲を受け、夜には長崎県佐世保市が空襲を受けた(佐世保大空襲)。

(中略)

岡山空襲に先立つ六月二〇日の水島空襲について、去年はこれら↓の記事を書きました。
もう一つの「今日は何の日」
四歳の目に焼きつきし夏の空
ここには、四才で水島空襲を体験されたM先輩の「手記」を紹介させていただきました。
そして、先日は、一〇才で岡山空襲・終戦を体験された方々の手記をもとにした朗読/演劇に接する機会がありました。

この朗読/演劇の原作は、 「操山高校五期生の会」が、約二年の月日をかけて編集発行された手記「その時10歳の私は」。

そのとき十歳の私は、補遺(2016-06-30)

昨日の記事に、「戦争は、一〇才の子どもたちの手元から大切なものを次つぎともぎ取っていき、岡山空襲は、いわばとどめに、街を、家を、家族を、友人を焼き尽くしました。」と書いた時に、もう一つ念頭にあったのはこのエピソードでした。

クレパスの涙

の夜、ぐっすり眼っていた。祖母のただならぬ声。醒めきらない目に、 一面赤く染まった縁側のカーテンが映った。蚊帳の中を通いながら祖母は、「たえこ、くにこ空襲よ。たえこ、くにこ、早う、はよう」
と繰り返しながら、一年生の弟を抱えるように蚊帳をたぐっていた。
えっ空襲。
昼間の空襲警報の不気味なサイレンの音は何度も聞いて敏感になっていたが、サイレンの音は聞こえない。
同じ布団に寝ていた妹を揺り起し、手を引っ張って玄関から防空壕に逃げ込んだ。気が付くと妹は金魚柄、私は朝顔柄の浴衣の寝巻ににランドセルを背負っていた。
前後して父が四歳と二歳の第を、母は一歳になったばかりの弟を抱いて防空壕に入った。そこへ、一週問ほど前に離れへ疎開してきている親戚の年寄りと子どもが入ると、畳一枚ほどの防空壕は身動きできない。
この玄関前の防空壕は私の誕生記念に祖母が植えた八重桜の木を伐ってその跡に父が掘ったものだった。

一人で防空壕の外に立って様子を見ていた父は「こりゃひどい。家が焼けだしたら危ない。橋の下へ迷げよう」と、家族と観戚を次々に防空壕から出した。
轟音と共に黒い機影が不気味に一機また一機と頭上をいく。機影が視界から消えた合間に小腰を屈めて二人、三人と順番に地続きの畑の東側を流れる用水へ急ぐ。
用水の岸辺から見る南の空は燃え上がって赤く、その明かりに照らされたおびただしい数の機影が旋回し交錯しながら腹から焼夷弾の束を吐き出す。後からあとから降る黒い塊は、落ちながら火を噴き二十にも三十にも炸裂し、辺りを照らす。遠くで、近くでドーンドーン、ドーン、ザッザザーッ。止む間もな<聞こえる。
「あっ、来たっ」機影が近付くと目を瞑って橋の奥に逃げこむ。息を凝らして身を寄せ合っていると爆音が違のく。そっと橋の下から覗く。その間に父は家に駆け込み、先ずは先祖の位牌を、次に箪笥の引き出しを一本ずつ持ち出す。父が家に入つている間、心配で妹と抱き合つて「爆弾が落ちませんように」と析った。
空を焦がす炎は拡がるばかりだった。

(中略)

夜が白みかけたころ、ようや爆音は止み、機影も消えた。幸いみんなが最も心配していた隣の兵器廠も兵舎も被爆を免れた。家も家族も無事だった。

(中略)

人の波がいっとき途切れたときだった。煤けた顔の若い母親が晒のおんぶ紐で赤ちゃんをおんぶして、前を見やったまま裸足で歩いてきた。片手で小さな風呂敷包みを胸に抱きかかえ、他方の手を後ろに回し、赤ちゃんのお尻のあたりを支えていた。しかし弟と同じくらいの赤ちゃんは、胴体だけで頭は無かった。私は声も出なかった。祖母に駆け寄ったが、何といえばいいのやら、ただ祖母の胸に蹲っているだけだった。
低く垂れこめた空から、生ぬるい黒い雨がしょぼしょぼと降りだした。(後略)

十歳の少女が引き受けるには、余りにもむごく、痛ましい体験です。いま、地球上のどの子どもも、決してこのような辛さを味わうことのない、平和で理性的な世界を築かねば、と強く思います。「集団的自衛権」の名のもと、他国(アメリカ)がひきおこした地球の裏側の戦争にまでも、「わが軍」を派遣して戦闘に参加させ、「殺し、殺される」事態を招来するアベ流の「積極的平和主義」はごめんこうむりたい。消費税引き上げ延期、アベノミクスの評価を問うなどとして、選挙の争点をぼかしながら、あわよくば2/3の与党議席を獲得した暁には、一気呵成に「明文改憲」に突き進む、なんてシナリオ、なおさらごめんですよね。

カモカモエヴリバディ、まだ続きます。

前回記事ではアメリカヒドリを贔屓しましたが、普通のヒドリガモもかわいいです。

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児島湖にはカルガモの群れが大勢。

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マガモ。

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キンクロハジロも、鴨の仲間(カモ目カモ科ハジロ属)。

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オオバンは、ツル目クイナ科オオバン属だそうです。

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カンムリカイツブリはカイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属だとか。

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もちろんダイサギもカモじゃありません。ペリカン目サギ科。

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葦原の中に、スズメたちに混じってこんな鳥がいます。オオジュリン♀でしょうか?これもカモではありませんが・・・。

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今日はこれにて。


nice!(38)  コメント(4) 

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コメント 4

U3

余りに重すぎる内容で言葉がでてきません。
by U3 (2021-11-25 08:49) 

kazg

U3様
まったく同感です。
by kazg (2021-11-25 14:21) 

momotaro

NHKのカムカムエヴリバディは見ないので知りませんが、kazg さんのカモカモエヴリバディはいいですねぇ。「積極的平和主義」などと怪しい主義を唱えて人民を惑わす、まったく許せん悪魔ですよ、あの男は。
by momotaro (2021-11-27 22:46) 

kazg

momotaro様
積極的に(軍事的な)力を誇示して平和を脅し取ろうなんてことが、成り立つはずがありませんよね。
by kazg (2021-11-28 09:10) 

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