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見あげたもんだよ、の巻 [折々散歩]

フーテンの寅さんの啖呵売。その流麗で小気味よいテンポとともに、脳裏に刻まれたセリフが、ふとした機会に口をついて出てきます。


たんか‐ばい【啖呵売】

〘名〙 口上を述べて商売をする者をいう、てきや仲間の隠語。

※わが新開地(1922)〈村島帰之〉「それから客を味噌糞の様に言ったり、おひゃらかしを云ったりして、いろんな品物を売るのをタンカバイと云ひます」

出典 精選版 日本国語大辞典

渥美清全曲集~男はつらいよ・渥美清の啖呵売~

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  • 発売日: 2014/07/02
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今日の口上は、「見あげたもんだよ」


 


時により「見あげたもんだよ、風呂屋の煙突」となったり「見あげたもんだよ屋根屋の○んどし」となったりするようです。これに続くセリフが「たいしたもんだよ、蛙(カエル)のションベン」。別バージョンに「蝗(イナゴ)のションベン」というのもあるらしい。「大したもんだよ」と「田へしたもんだよ」とをかけているそうな。


実は今日の記事には「見上げてご覧」というタイトルを思いついていたのですが、この発想は過去記事で使い古していたことに気づきました


見上げてご覧(2015-01-28)


見上げてご覧、の巻(大阪の旅最終回)(2015-07-04)


上を向いて歩いていたら、の巻(2017-05-13)


そしてまたこんな記事も。


さらにもう一つの11月3日、の巻(2015-11-03)


ところで、「教え子を戦場に送る」とは、単に彼らを戦闘の恐怖や戦死・戦傷の脅威にさらすことのみを意味しているわけではないことを、私は最近のニュー
スから改めて考えさせられています。5月20日付山陽新聞に、顔写真入りで7人のアメリカ人兵士が紹介されています。

ジェレミー・シビッツ技術兵(24)
ペンシルベニア州出身。軍用車両の修理 が専門、全裸のイラク人収容者がピラミッド状に折り重なった虐待写真を撮影したなどの疑い。
ジャバル・デービス3等軍曹 (26)
メリーランド州出身。高校時代は陸上競技のスター選手。信仰心の厚いキリスト教徒との証言もある。収容所の手や足を踏みつけるなど6件の虐待に加担した疑い。
リンディ・イングランド上等兵(21)
ウェストバージニア州出身。高校卒業後気象学者を志し、大学で勉強するための補助がえられる軍に入隊。全裸の収容者の首に巻いたひもをひいたり、くわえたばこで全裸の収容者を指さす写真が世界中のメディアで報道され、虐待事件の”象徴的存在”に。
サブリナ・ハーマン技術兵(26)
バージニア州出身。ピザの宅配などをやりながら、大学入学を目指して入隊。全裸の収容者がピラミッド状に折り重なった背後で、グレーナー技術兵と笑っている写真が報じられた。 (以下略)

もし、戦争さえなかったら、才能にあふれた、まばゆいほどに頼もしい若者として、家族からも周囲からも、愛と誇りを持って遇されたはずの彼らが、人間と
して恥ずべき残虐行為に手を染め、今、決してぬぐい去ることのできない悔恨に身を灼いていることは、同世代の子供を持ったり、同世代の教え子を社会に送り
出してきた者としては、痛ましさを禁じ得ません。
収容所の連想から、私は、「戦争というものは、欠点ばかりを増幅させるものだ。」というの映画「シンドラーのリスト」の中のセリフを思い出さずにいられ
ません。同時に、ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」に登場する、ミステリアスな女主人公ハンナが、強制収容所の看守としての行動を戦
争犯罪として裁かれる法廷で、繰り返し裁判官に問いかける「あなただったらどうしましたか?」という言葉も、決して人ごととは思えません。
奇しくも同じ名を持つ政治学者ハンナ・アーレントは、アイヒマン裁判を通して「ホロコーストの残虐な実行者が、上司の命令に忠実なありきたりの官吏であったという『悪の陳腐さ』」の問題を鋭く追及しましたが、彼女が投げかけた「組織の中の個人の責任」という問題は、現代の私たちにとっても、決してさけては通れない問いかけだと思います。


ハンナつながりで、3人目のハンナの話題を添えたいと思います。無声映画で活躍し、トーキー隆盛の中にあっても頑なにサイレント映画製作にこだわり続け
てきたチャップリンが、初めてつくったトーキー映画が「独裁者」でした。チャップリンは、ヒットラーをモデルとした独裁者ヒンケルと、うだつの上がらない
ユダヤ人床屋の二役を演じていますが、そのユダヤ人床屋がヒンケルに間違われて、大群衆に向かって演説をしなくてはならない状況に追いやられます。最後の
5分間と呼ばれるこの演説は、「…ハンナ、聞こえるかい。元気をお出し」と恋人ハンナに放送で呼びかけるところから始まります。このメッセージを世界の
人々に届けたかったために、チャップリンがあえてトーキーを選んだとも言われています。

「…ハンナ、聞こえるかい。元気をお出し ご覧 暗い雲が消え去った 太陽が輝いている 明るい光がさしはじめた 新しい世界が開けてきた 人類は貪欲と憎悪と暴力を克服したのだ 人間の魂は翼を与えられて やっと飛び始めた 虹の中に飛び始めた 希望に輝く未来に向かって 輝かしい未来が君にも私にもやって来る。 我々すべてに! ハンナ、元気をお出し… ハンナ、聞いたかい 顔をお上げ、ハンナ…」
「私たちは、みんなお互いに助け合いたいと望んでいる。人間というのは本来そういうものなのだ。他人の不幸によってではなく、他人の幸福によって生きた
い。人間というのは、本来そういうもので、憎みあったり、軽蔑しあったりしたくはないんだ。----」

このメッセージを、しっかりと、子どもたちの胸に届くように語ることこそ、大人たちの、なかんづく私たち教職員の役目ではないでしょうか?


ぐずついた天気が続いていましたが、今日は見あげると青空でした。


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電線のツバメは、我が家の玄関先に巣作りしているつがいのようです。


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畑仕事の途中、道路沿いの電柱から、聞き慣れない笛の音のような鳴き声が聞こえてきました。


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いえ、このトビが止まっている電線の端がつながっている電柱のてっぺんからです。


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さっきのトビよりかなりい大きい体格で、頭が白い猛禽類です。


ズームでのぞくと、足もとに魚をつかんでいます。


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大きな魚です。


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食事中のミサゴは、以前、この記事でもご紹介しました。


霜の朝ミサゴの展望レストラン(2015-12-18)


掲載していた写真が、一部見えなくなっています。(ssブログに移行してからのトラブルでしょうか?しばしばこの現象に遭遇します)


「デジタルテレコン」を使って拡大撮影した画像を載せておきます(ノートリミングです)。


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今日はこれにて。


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写真素材 PIXTA